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11/11/11 評論集「児童文学の新地平」全3巻 刊行!

2011.11.11 (金)

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'11/11/11。
「1」が並ぶ忘れがたい本日、
現代児童文学について論じた評論集という、
なかなか出版されにくい本が、いっきに3冊も刊行されました。

「児童文学批評の新地平」と銘打たれた全3巻のこちらの本、
じつは、3巻目は、恥ずかしながら、
わたくし店長奥山の初めての評論集でもあります。

全3巻を少しご紹介させていただきますと、

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まず、1巻目がこちら、
『現代児童文学を問い続けて』
(くろしお出版 2940円)
著者は、『おしいれのぼうけん』『宿題ひきうけ株式会社』
などで知られる作家でもある古田足日氏。

古田足日氏は、戦後の現代児童文学をけん引してきた
評論家でもあり、1959年にその最初の評論集
『現代児童文学論』という歴史的名著を出版されました。
そのときの出版社が、今回この3巻を刊行してくださった
くろしお出版でもありました。

以来、50年にわたって、児童文学をみずから書き、
また、読みつづけてきた古田氏の、
広い視野の児童文学史と、
石井桃子から後藤竜二まで幅広い作家論と、
のっぴきならないこだわりをもつ戦争児童文学論などがつまった
渾身の一冊です。

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2巻目は、『〈共感〉の現場検証 ―児童文学の読みを読む』
(同 2310円)

著者は、雑誌『日本児童文学』の編集長もされている
私とほぼ同世代の評論家西山利佳氏。

児童文学を読んだときに呼び起こされる
安易な「心地よさ」に抵抗して、
「感動」の正体を探った一冊。
児童文学と大人の文学の境目があいまいになってきた
80年代~90年代以降、
児童文学のたくさんの作品をとりあげて論じられています。
率直で、誠実な語り口が魅力です。

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そして、3巻目が私の書いた
『〈物語〉のゆらぎ ―見切れない時代の児童文学』
(同 2100円)

私が児童文学にはまりだした1980年代から、
教員生活を続けていた20年間もふくめ、
私が心をひかれ、また、助けられた作品を論じています。

子ども時代からその先へ、
ひとはどのように変わっていくことができるのか、
また、そのような変容に、
世界はどのようにかかわっているのか。
児童文学とともに考えてきた私自身のテーマが
おそらく根底に流れています。

今回、この3巻の表紙絵を書いてくださったのは、
あのいわさきちひろさんのお孫さんでもある
画家の松本春野さん。
著者3人が、どんな場所で、どんなふうに本を読んできたか、
それぞれの姿をイラストに描いてくださいました。
装丁もすてきな3冊とうれしく思っています。

児童文学とは何なのか。
児童文学を通して何が見えてくるのか。

児童文学に関心のある方は、ぜひ読んでみてください。

ハックルベリーブックスにも、近々入荷します。
著者割引の特別価格でご提供する予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

夏休みがはじまりました!

2011.07.21 (木)

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みなさんいかがお過ごしですか?

夏休み企画ということで準備してきた
「自由研究おたすけBOOK」のコーナーも、
ようやく充実してきました。

自由研究本といっても、単なるハウツーものではなく、
「本」として読んで、まず楽しめるものを厳選しました。
読むと、「なんかやってみようかな」
「どこか行ってみようかな」
「調べてみようかな」という気持ちがわいてくるような本。
子ども向けだからって手をぬいたりしていない、
それぞれの分野で、しっかり活躍している人がまとめた本。

夏休みの宿題に困ったら、ぜひ見に来てください。

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夏休み初日、さっそく、
課題図書や図書館おすすめ本の資料をもって、
本を見に来てくださったお母さんや小学生のみなさん。
5年生のある男の子は、
戦争や放射能といった重いテーマを、
作家那須正幹さん、画家西村繁男さんの名コンビで、
しあげた名作絵本
『絵で読む広島の原爆』(福音館書店)を買っていかれました。
(柏市の図書館のおすすめ本のようです)
絵本といっても、広島の町を原爆前からそのあとまでを
細かく描きこんだ絵と、
原爆の歴史や、放射能についてのこまかな解説もついた、
すみずみまで目を通して考えることのできる重厚な本です。

また、同じく5年生の女の子は、
あさのあつこさんの『ぼくらは心霊スポット』(学研)を。
こちらは、「あやかし話フェア」の一冊で、
ホラーとして楽しめると同時に、
人間とは何なのか…を問いかけてくる作品です。
文庫本なので、ちょっと出かけるときにも持っていけます。

ふだんは、学校や部活や習い事などでなかなか
本屋に行く時間もないかもしれない、
小学生から大学生くらいの学生さんたちが、
夏休みにどしどし来てくれるといいなと思っています。

そして、どんな本を選んで行ってくれるか…
とっても楽しみです♪

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店のテラスの
ゴーヤの
グリーンカーテンも
みごとに伸びました。

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新鮮なゴーヤもどんどんとれてます。
食べてみたい方は、
さしあげますので、声をかけてください☆

苦しいときこそ、笑って、泣いて。(店は明るい時間のみ営業しています)

2011.03.21 (月)

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大地震からあっという間に10日がたってしまいました。
被災地の苦しい状況は、報道で見るかぎりまだまだ続いていると思います。何か力になりたいと思いながらも、何もできないことに、もどかしさも感じる毎日です。

たとえば、本屋に何ができるのか…。
いろいろと思案しつつも、今はとにかく、平常心を失わないで、
「いつもとかわらない」力強い本の言葉にみちたこの空間を、
細々とでも維持していくことかなと、思っています。

この何日かの間、近所に住んでいる赤ちゃんとママが、ときどき顔を出してくれました。
「ここにくると、ホッとする」と言っていただいたことが、
何よりうれしいことでした。

今は、とにかく、救命ですが、
一段落したとき、今度はかならず、心のケアが必要になる時が来ると思います。そのときに、本が助けになることもきっとあるでしょう。これまでも、海外の被災地で、本を利用した子どもたちの精神的なケアの活動がいろいろと行われてきました。
そのことも思い出しつつ、まずは、自分が今やるべきことを、ちゃんとやっていこうと思っています。

ハックルベリーブックスでは、先週から、
「みどりのちから」フェアもはじめました。

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まだまだ寒い日もありますが、季節はかならずめぐってきます。
植物の再生の力、土や緑に触れることで癒される心…。
自然はきびしいけれど、その中で生きていくための知恵や活力、
あるいは謙虚さなども、人や動物はきっと持ち合わせていると信じたい。
そんなことを思わせてくれる絵本や物語、雑貨などを集めました。

ついでに、最近読み返して、力を得た作品を紹介します。

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『エンデュアランス号大漂流』(キメル著 あすなろ書房)
これは、かつて南極探検を目指したエンデュアランス号の隊員たちの記録の本ですが、じつは、この探検は、出発早々に氷の海に船が閉じ込められて「失敗」してしまいます。
船を失い、目標も失い、ふつうなら絶望するしかない状況で、
隊長のシャクルトンはじめ隊員たちは、生還する希望を失わず、2年間にわたり氷の海で格闘するのです。
とはいえ、ある時期は、ひたすら季節が変わるのを待つだけ。
そのときに、人々を支えたのは、ユーモア精神と本とでした。
またあるときは、荒れ狂う海を必死で漕ぎ続けるのですが、
そのときも、彼らの合言葉は、「笑って耐えろ」。
彼らがどうなったかは、作品を読んでいただくとして、
とにかく、お互いを信頼しながら、
希望を持ち続けることの大切さを改めて感じ、勇気づけられました。

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それともうひとつは、『どまんなか』①~③(須藤靖貴作、講談社)。
こちらは、「めざせ甲子園!」のスポーツものですが、
いろいろな点で異色の作品です。
この作品に出てくる野球部員たちは、とにかくよくミーティングをします。
スポーツにまつわるありきたりのセオリーを問い直し、
練習の仕方から、「めし」の話まで、みんなでひとつひとつ納得しながら、先に進んでいくのです。
もちろん、常に思い通りにはいきません。
いろいろな事情でチームを離れなければならない仲間もいます。
でも、とにかくひとりひとりが自分の「レーン」でやれることをやること。それでも、つながっていくこと。
ひととひととの絆の力に、ぐいぐいひきこまれる作品です。
そして、気持ちよく泣かせてくれる本です。

苦しいときこそ、笑って、泣いて。
とにかく、心が凍りつかないようにして、進んでいきたいものです。

『月刊MOE』の絵本セレクションのページに…

2011.02.04 (金)

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『月刊MOE』は、絵本好きにはたまらない、
絵本についてのあれこれを紹介した雑誌です。
カラ―ページが満載の、美しくて楽しい雑誌ですが、
その最新号に、ハックルベリーブックスが紹介されました!!

「絵本屋さんの絵本セレクション」というページに、
私が選んだおすすめの絵本が三冊。
それに、お店の写真と、恥ずかしながらフーちゃんと私の写真が載っています。
新年に取材に来てくださった記者さんが、
ほんとうにぴったりと私の本への思いをまとめてくれています。

紹介した本は、次の三冊です。

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『トマトさん』は、季節的にはちょっと早いのですが、
このインパクトのある顔は、一度見たら忘れられません。
夏が大好きな私としては、やっぱりこの本をいちおしにしてしまいました。

他に紹介させていただいたのは
『おおかみのこがはしってきて』という本で、
これは、アイヌの人々の世界観がひろがる絵本です。
小林敏也さんの版画やアイヌ語のふりがながついている
ユニークな一冊です。

それともうひとつは、『あなたはちっともわるくない』。
これは、児童虐待をテーマにしたちょっと重い本ですが、
虐待をうけた子どもに、みんなで
「だいじょうぶ」「あなたはわるくないよ」と
声をかけてあげることの大切さが
やさしく描かれています。
子どもは、みんなの宝であってほしい。
そんな思いをこめて選びました。

これらの本は、もちろん店にもあります。

ちなみに、『月刊MOE』最新号の特集は、
「泣きたい日には、絵本を」。
心にしみる絵本が、たくさん紹介されている特集も、
見逃せませんね。

店頭に並んでいなくても…

2011.01.20 (木)

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この『なみ』(スージー・リー作 講談社)は,
今日来てくださったお客さまが買っていかれたのですが,
じつはこの本,波と女の子が遊ぶ様子を,
シンプルな色と動きだけで描き出したすてきな本。
横に長い変わった版形なのですが,
その本のかたちがうまく生かされた作品で,
昨年の東京ブックフェアで装丁の賞をとった本でもあるのですが,
いかんせん,夏のきらきらさわやかな海の絵本なので,
冬になってからは,書庫というかひきだしにしまったおいた本でした。
ところが,今日のお客様は,
前に来たときにこの本があったのを覚えていてくださって,
「あの『なみ』っていう本はもうないんですか?」と…。
こちらは,うれしくて,「あります,あります」と
さっそく引き出しからとりだしてお渡ししました。

じつは,最近,この作者の新しい絵本が出まして,
それが,こちらの『かげ』です。

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これも,シンプルな絵と色なのに,
女の子の影遊びが,だんだんと幻想的な
影の世界に展開していく作品で,
今回は上下開きの作りが,うまく生かされている一冊です。
近いうちに,店頭に並べたいと思っていたところで,
なんだか不思議なめぐりあわせを感じてしまいました。

小さな書店なので,限られたスペースに
できるだけ,季節や特集に合わせて
本を並べていくことにしていますが,
それでも,このように,ちょっとしまってある本もあります。
「○○のような方に贈りたい」などのご相談があれば,
たとえ店頭に並んでいなくても,
そういうひきだしから出してくることもありますので,
ぜひ,気軽に声をかけてください。

また,店にない本でも,ご注文も承りますので,
店頭でも,あるいはメールやお電話などでも,
ぜひ,ご相談ください。
だいたいどんな出版社の本でも,絶版でなければ,
取り寄せることが可能です。
大人の本や,専門書なども,もちろんOKです。

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先日,友人がこのような辞典を注文してくださいました。
「おもしろい辞書があるんだな~」と,
ご注文の本に教えられることもよくあります。

また,ダンナさんがお医者様のお客さまが,
20000円もする眼科の本を
某ネット書店で注文しようとしていたのを「ちょっと待って!」とひきとめ,
わざわざハックルベリーブックスで
注文してくださったこともあります。
正直に売上の面で助かります(笑

たとえば某アマゾンで品切れでも,
出版社には在庫がある場合もありますので,
ぜひ,町の本屋をご活用ください!

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