11/18,1918年に創刊された雑誌「赤い鳥」
100年記念のイベントとして,
「文学茶話会」を開催しました。

まずは、100年前の「赤い鳥」にも広告が出ていた
「カルピス」でのどを潤しつつ、
前半は、千葉大学の佐藤宗子先生のトークからスタート。
佐藤先生は,じつは,店長奥山の大学・大学院時代の恩師で,
当時から「赤い鳥」の研究もされており,
おそらくは,今,日本で一番といっていいくらい,
「赤い鳥」に詳しい先生だと思います。
その佐藤先生からは,一時間近く,たっぷりと,
全196冊刊行された「赤い鳥」という雑誌の全体像について,
具体例をあげながらお話いただきました。
とくに,「子どもを愛する思いから生まれた」とか,
「芥川龍之介や新美南吉などの有名作家がたくさん書いた」という,
一般的な誤解を解きほぐしつつ,
「童話」「童心」という言葉の当時の意味を確認し、
「大人の、大人による、芸術のための雑誌」という位置づけ、
また,当時の一般文学・外国文学からの翻案の多さなど,
その実像にせまるお話は,とても刺激的でした。

ここで,いったんコーヒーブレイク。
今回のおやつは,やはり「赤い鳥」創刊当時から広告が出ていた
「森永ミルクキャラメル」。
それから,やはり創業100年近いといわれる「柿の種」など。
なつかしい味を楽しんでいただきました。

後半は,何年か前に,
あるお客様からハックルベリーブックスに寄贈された
「赤い鳥」復刻版を,参加者の皆さんに1年分ずつ
手にとっていただき,
「童謡」または「広告」から,
「赤い鳥クイズ」を作成していただいて,
大クイズ大会となりました。

そのクイズが,とてもよくできていたので,以下にご紹介します!
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『赤い鳥』童謡&広告クイズ
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【「赤い鳥」大正7年・1918年7月創刊】
①大正8年・1919年10月号からの問題
★問題/西条八十の童謡「お菓子の家」では、次のように書かれます。
「門の柱は飴ん棒/屋根の瓦はチョコレート/左右の壁はむぎらくがん」。
では、「踏む舗石(しきいし)」は何とうたわれているでしょうか。
★三択 A かわらせんべい Bビスケット C甘いキャラメル
②大正9年・1920年12月号からの問題
★問題/広告「ライオン歯磨」より、歯をみがく時は「朝起きた時」「夜ねる前」と、もう一つはどんな時?
★三択 A おやつを食べた時 B 歌を歌う前 C 外から帰った時
③大正10年・2021年12月号からの問題
★問題/北原白秋「吹雪の晩」という童謡で、吹雪の中で鳴いている鳥は何?
★三択 A ふくろう B 鴨 C ほととぎす
④大正11年・1922年12月号からの問題
★問題/「ライオン」といえば歯みがきで有名な会社ですが、歯磨きではない物を広告に載せていました。それは何でしょう?
★三択 A 歯みがき用コップ B はし C ライオン當用日記
⑤大正12年・1923年3月号からの問題
★問題/童謡「山の枇杷」はびわの実を、朝はからすが、昼は子どもが、日暮れは野ねずみの親子づれが食べにきます。その子どもは、健気にも働いていますが、さて、その仕事は何でしょう?
★三択 A 牛乳やさん B 電報やさん C 新聞やさん
⑥大正13年・1924年8月号からの問題
★問題/カルピスの広告に、「滋強飲料 ○○とカルピス」というキャッチフレーズがありますが、○○に入る言葉は?
★三択 A 子ども B 男性 C 女性
⑦大正14年・1925年5月号からの問題
★問題/東京銀座の松屋呉服店は、何月に開店したでしょうか?
★三択 A 5月 B 10月 C 12月
⑧大正15年・1926年2月号からの問題
★問題/広告より、久保田万太郎先生がお書きになった脚本集の題名は?
★三択 A おもちゃのチャチャチャ B おもちゃの裁判 C おもちゃの事件簿
⑨大正15年・1926年5月号からの問題
★問題/「進んだ人には進んだ文具!」とある「○○ シャープ鉛筆」の広告、○○にはいる人名は?
★三択 A プラトン B デカルト C 漱石
⑩大正15年・1926年6月号からの問題
★問題/松屋の子供洋服の広告で,「型…○○風の流行を取り入れて丈も袖も短めの軽快なもの、色合…薄グリーン・クリーム・オレンヂ系」の○○風に入る言葉は?
★三択 A 運動 B 巴里 C 衛生
⑪昭和2年・1927年1月号からの問題
★問題/白秋の童謡「かりうど」に出てくる狩人は何人?
★三択 A 3人 B 9人 C 99人
⑫昭和3年・1928年4月号からの問題
★問題/鈴木三重吉編「古事記物語」(赤い鳥社)の広告から、次の○○的に入る言葉は?
「われわれの最初の祖先の実際について、日本人の貴い根本の特色を語るさまざまの純真の物語。○○的な名文章として喧伝され、4年生以上の理想的読本として学校でも盛に愛用されている。」
★三択 A 詠唱的 B 絶唱的 C 超絶的
⑬昭和3年・1928年12月号からの問題
★問題/「三越の商品券」の広告で、おひきかえできる支店、出張所で書かれていないのはどこか?
★三択 A 大連 B 神戸 C 札幌
【昭和4年3月号で休刊~昭和6年1月に復刊】
【復刊後は会員制雑誌となり、広告がなくなる】
⑭昭和6年・1931年7月号からの問題
★問題/白秋の童謡「東へ行けば」に、「東へ行けば、早や夜があける、ラランとあける」とあるが、一方「○○○○、すぐ日が暮れる、チロリと暮れる」に入る言葉は?
★三択 A 北へ行けば B 南へ行けよ C 西行く子ども
⑮昭和7年・1932年7月号からの問題
★問題/白秋の童謡「春の田」に、「春の田の、田の/げんげ田のうらで/けろっきい、くくくと/カワズが鳴いた」とあるが、「カワズ」の表記の正しいのはどれ?
★三択 A かはづ B かわず C かはず
【昭和8年、北原白秋が『赤い鳥』を去り、「童謡」がなくなる】
【昭和11年10月終刊】
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どれも時代を感じる問題で,とてもおもしろいですね。
さて,何問できたでしょうか??
答えは次回に…。
「赤い鳥」100年イベントは,
11/23 「赤い鳥」朗読会へと続きます♪
(まだお席ありますので,ぜひどうぞ)