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那須正幹さんトークイベント「ズッコケ三人組 平和を語る」

2019.05.27 (月)

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5/26,念願だった那須正幹さんのトークイベントが開催されました!

那須さんは、私が評論を書き始めた頃から、
「ズッコケ」シリーズなどの作品論や解説もいろいろ書かせていただき、
私も編集に参加した「ピースウォーク」シリーズでは、
短編「新しい憲法のはなし」(『扉を開けて』所収)や
長編『少年たちの戦場』などの作品を書いてくださっていました。
戦争や平和に関する作品も多く、
『ねんどの神さま』なども、ハックルベリーブックスの文学講座などで、
よくご紹介してきました。
そんなご縁もあり、これまでもトークをお願いしてきたのですが、
なにしろ山口県にお住まいなので、なかなか難しかったのですが、
ちょうどこの5月に上京の予定があるということで、
ここ柏まで、足をのばしてくださったのです。

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今回のトークも「ズッコケ三人組 平和を語る」というテーマで、
たっぷり一時間半、ノンストップで語られるそのエネルギーに、
まず感激しました。

那須さんは、1942年広島生まれ。
お話はまず,その3歳のときの被爆の日のことから。
たまたま雨戸の戸袋の裏にいたことで、奇跡的に軽いけがですんだのですが,その日,壊れた家で読んだ「桃太郎」の絵の記憶、
家の前をぞろぞろ歩いていった被爆した人々の姿、
覚えていることととあとで聞いた話とを交えつつ、
臨場感たっぷりのお話で,まずひきこまれました。

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その後、子ども時代から、作家になるまでの話の中では、
「平和憲法」の新鮮さと、
その後自衛隊ができたことへの子どもながらの違和感、
さらに、1960年代,東京の自動車販売会社に勤めていた頃に、
松戸に住んでいたとのお話も。

そして、実家の書道塾を手伝いながら作家となってからは、
とにかく子どもに楽しんでもらいたいとの思いから
「ズッコケ」シリーズを書き続ける一方で、
やはり、戦争について考えなければ…と、
SFの手法を取り入れて『屋根裏の遠い旅』を書き、
また、広島の「原爆の像」で有名な佐々木禎子さんが同級生だったことから、
かつての友人に取材して書いたノンフィクション
『折り鶴の子どもたち』が生まれたこと。

こうした作品を書きながら、
改めて「原爆」について無知だったことを感じ、
「原爆」というものの全体像を書きたいと調査を重ね、
西村繁男さんと組んで作った『絵で読む 広島の原爆』。
(ヘリコプターで原爆が爆発した上空から広島を眺めたとか)
ここでも、子どもたちに興味を持ってもらうために
「セミの声」を効果的に書いていったことなどもお話くださいました。

武田美穂さんの絵でおなじみの『ねんどの神さま』は、
実験作のつもりで、「読者にいやな思いをさせる」本として作ったところ、
読んだ子どもたちが「これはおかしい!」とちゃんと怒ったこと。

さらに,戦後のヒロシマを描きたく広島焼き屋さんを舞台に書いた
3部作『ヒロシマ』。(惜しくも,朝の連ドラにはならず…)

そして,兵士となり、人殺しの加害者にならざるを得なかった
子どもたちを描いた『少年たちの戦場』まで……。

ほんとうに熱のこもったお話で、いちばん前に座っていた
小学生の男の子も、じっと聞き入っていました。

今、子どもたちに「残酷な話はよくない」という意見がありますが、
那須さんは、たとえ残酷でも、現実をちゃんと知った子どもは、
そのときはイヤな気持ちになっても、大人になってまた考えるようになるはず。
大切なのは,そういう出会いを大人がちゃんと作ること、
そして、つたなくても,肉声で話し、伝えていくことではないか。
その一方で,「プロの書き手は、プロとしてちゃんと書いていくけん」。
この言葉には、戦争という難しいテーマでも,
常に取材や調査を重ね、また、子どもに読んでもらう表現を工夫して,
書き続けてこられた那須さんの作家としての姿勢が、
はっきりと感じられました。
そしてまた、図書館や学校で,また家庭で,子どもたちに接している参加者のみなさんにも、勇気を与えてくださるお話でした。

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終了後は、サイン会。

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今回那須さんは、奥様といっしょに来て下さいましたので、
「ピースウォーク」シリーズをいっしょに作った
新日本出版社の編集者さんや、作家の濱野京子さん,みおちづるさん,評論家の西山利佳さんなどもいっしょに記念撮影。

その後の打ち上げでは,奥様とのなれそめから,最近の文学談義まで、笑いの絶えないひとときもごいっしょしてくださいました。
帰り際,「今日は楽しかった」と言って下さった那須さん。

今年,喜寿(77さい)となる那須さんですが,
まだまだおもしろい作品が生まれそうで,ますます楽しみです。

暑い中,参加してくださったみなさん,
ほんとうにありがとうございました!

★『ねんどの神さま』『少年たちの戦場』は
 サイン本もあります! ぜひ,どうぞ。