記事一覧

ハックルベリーブックスのピンチ?! あるいはチャンス?!

2016.02.10 (水)

もしかしたら,ご存じの方もいるかと思いますが,
本の問屋さんである「取次」会社のひとつ
「太洋社」さんが,「自主廃業」するということが,
先週,発表されました。

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4137.html

じつは,ハックルベリーブックスは,開店から,
こちらの「太洋社」さんと契約し,主な本を仕入れてきました。
その会社が,この春にもなくなるということで,
本屋が本を仕入れられなくなる!?
というピンチに直面することになりました。


ハックルベリーブックスが,こちらの取次さんと
契約できた経緯については,1月に取材していただいた
「起業のリアルストーリー」でも語らせていただいています。

http://kashiwaentrepreneu.wix.com/home#!小さな書店から広がる、つながりの輪。(1)-奥山恵さん-/-Huckleberry-Books/cbrnj/567f2bfb0cf203da56ec38ca

本の取次といえば,「日販」と「トーハン」という2大会社があることは,
知られていますが,「太洋社」はそれよりは小さいですが,
「中堅」の取次として歴史がありました。
しかし,このような「中堅」のひとつであった「栗田」という
取次さんも,昨年つぶれ,今回「太洋社」も……。

これは,本の流通の在り方の根本的な問題として,
考えていくべきことと思います。

もちろん,「太洋社」さんからは,ほとんどの出版社の本が
仕入れられましたので,たいへん便利ではありましたが,
そもそも,取次さんとの契約に,何百万もの保証金が必要だったり,
個性的な棚を作ろうと思えば,うちのように,ほとんどの本を買い取りにしているにもかかわらず,利率は委託と同じだったり,
これまでも,本の流通の在り方には,ずっと疑問を感じてきました。

その一方で,私が大好きな京都の本屋さん「恵文社」の店長だった
堀部篤史さんが,昨年,「取次」にたよらない流通をめざして,
「誠光社」という本屋さんを立ち上げました。

http://www.seikosha-books.com/about

ほかにも,落合恵子さんのクレヨンハウスが
「子どもの文化普及協会」という利率のいい仕入れの形を作ったり,
「神田村」と呼ばれる,小さな取次さんのネットワークが,
地方の小さな本屋とつながっていたり,
さまざまな本の流通の在り方も,
じつは,ずっと調べたり,お話をうかがったりして,
視野に入れてきました。

こうした,いろいろなチャレンジは,
うちのような個人の店や,これから本屋をやってみたいという人を,
勇気づけてくれています。

「本屋の利益は2割」という暗黙の常識に対しても,
それでしかたがないとあきらめることなく,
本屋が成り立つ方向を模索していくことは,やはり必要です。


そう考えると,ハックルベリーブックスも,
今は,大きな考えどころ,
逆に,新しいチャレンジの機会なのかもしれないとも思っています。

これまでも,ハックルベリーブックスでは,
「ネットで買うなら町の本屋で」という応援の気持ちも添えて,
本を注文してくださるお客さんが増えてきていました。
たいへんありがたく,できれば,
これからも,そのようなご注文はなんとかお受けしたいと思っています。

もちろん,中心となっている児童書の仕入についても,
より豊かな形を探っていきたいと思っています。

とりあえず,しばらくは,現状で滞りなくやっていかれますが,
3月くらいまでには,ハックルベリーブックスの
今後の方向性について,またご報告できると思います。

柏では,この春,
高島屋にあった「ウイング」と,
丸井にあった「八重洲ブックセンター」と,
2つの本屋が閉店となるそうです。
町の小さな本屋も,すでにほとんどありません。
でも,それでいいのか……。

ハックルベリーブックスでは,
なんとか,今回のピンチを,チャンスに変えていかれるように
よくよく考えていきたいと思っています。
よろしくご理解いただければ,ありがたく存じます。